映画『愚行録』
かの名作ドラマ『悪人』でも共演していたお二人、妻夫木聡と満島ひかりが再びということで、映画『愚行録』を観てみた。
※以下、ネタバレを含む
最初にジャケット左上にいる小出恵介を見つけ、「愚行録」とは何かの冗談かと思ったが、今や貴重な小出恵介出演映画、ありがたく見せていただいた。
内容としては題名のとおり、登場人物の「愚行」を描いた作品。
他人を利用することや陥れることを何とも思わないクズで狡猾な人々と、それに翻弄される人々。
結果的にクズが殺されるのだが、正直「こんなことで殺されちゃうの?」という印象。
だって、利用されたほうは利用されたほうで、自ら利用されにいったようにしか見えないんだもの…。
利用されるという形にはなったものの、「自分もカーストの上に行けるかもしれない、華々しい体験ができるかもしれない」という見返りを期待していたことに間違いないのでは。
そして全員が愚かだとしても、やはり少し妻夫木聡、満島ひかりに同情しがちな方向に描かれている。
しかしながら親を殺されたわけでもあるまいし、嫌な思いをさせられたにしろ一家惨殺した奴がいちばん愚かに決まってる。
私はこの兄弟に同情の気持ちはわかないし、むしろ嫌悪感以外の印象を持ち得ない。
人間誰もが正しいと思う方に向かっていけるというわけではないが、ほとんどの人が自分の欲やら悪意やらを抑えて人道的に生きているのだから。